1. このページの目的
1行目のインデントについて考える。
とともに、1行目をインデントを実現するCSSの記述を試す。
2. インデントについて
考察
- インデントのルールは決まっていないし、1つではない。
- インデントは段落の開始位置を見つけやすくするためにある。
- インデントを使う場合、短文が多い文章だとインデントが多くなり、見た目がよくない。
- このような場合、インデントするのではなく段落の間隔を空けるという方法もある。ネット上の読み物は、どちらかというとこちらが多いのではないか。HTMLは幅が固定されていないページの方が多く、1行の文字数が多くなりがちで、そうなると相対的に短文が多くなる。
- 文章の1つ目の段落はインデントせず、2つ目以降のみインデントするというやり方もある。日本語、英語問わず、わりとよく見る。カッコいいが、個人的には少し違和感がある。
結論
- 結論としては、ネットで何か書く場合は、1行目のインデントは使わず、段落の間隔を空けるという方法がよさそうに思える。
- 段落内の文章が長い場合には、1行目のインデントを使ってもよい。
3. 利用できるCSS
text-indent
プロパティが使える。これは、1行目のインデントを指定するCSSプロパティである。
p {
text-indent: 1em;
}
参考: text-indent - CSS: Cascading Style Sheets | MDN
文章の先頭に全角の空白を1文字いれておけば、それが先頭のインデントになり、CSS で何か設定する必要はない。これでよい気もするが、タグのコンテンツの先頭に空白があると違和感がある。
4. デモ
段落が長い文章になる場合は、text-indent
CSSプロパティで、1行目にインデントをつける。
それからあの猫の来たときのようにまるで怒った象のような勢で虎狩りを弾きました。ところが聴衆はしいんとなって一生命聞いています。ゴーシュはどんどん弾きました。猫が切ながってぱちぱち火花を出したところも過ぎました。扉へからだを何べんもぶっつけた所も過ぎました。
曲が終るとゴーシュはもうみんなの方などは見もせずちょうどその猫のようにすばやくセロをもって楽屋へ遁にげ込みました。すると楽屋では楽長はじめ仲間がみんな火事にでもあったあとのように眼をじっとしてひっそりとすわり込んでいます。ゴーシュはやぶれかぶれだと思ってみんなの間をさっさとあるいて行って向うの長椅子へどっかりとからだをおろして足を組んですわりました。
するとみんなが一ぺんに顔をこっちへ向けてゴーシュを見ましたがやはりまじめでべつにわらっているようでもありませんでした。
「こんやは変な晩だなあ。」
ゴーシュは思いました。ところが楽長は立って云いました。
「ゴーシュ君、よかったぞお。あんな曲だけれどもここではみんなかなり本気になって聞いてたぞ。一週間か十日の間にずいぶん仕上げたなあ。十日前とくらべたらまるで赤ん坊と兵隊だ。やろうと思えばいつでもやれたんじゃないか、君。」
仲間もみんな立って来て「よかったぜ」とゴーシュに云いました。
「いや、からだが丈夫だからこんなこともできるよ。普通の人なら死んでしまうからな。」楽長が向うで云っていました。
その晩遅ゴーシュは自分のうちへ帰って来ました。
そしてまた水をがぶがぶ呑みました。それから窓をあけていつかかっこうの飛んで行ったと思った遠くのそらをながめながら
「ああかっこう。あのときはすまなかったなあ。おれは怒ったんじゃなかったんだ。」と云いました。
引用元:宮沢賢治 セロ弾きのゴーシュ