整数に関する覚書
約数の性質
自然数 `N` を素因数分解した結果 `N = p^{α}q^{β}\cdotsr^{γ}` となる場合
1. `N` のすべての約数
\[
(1 + p + p^{2} + \cdots + p^{α} )(1 + q + q^{2} + \cdots + q^{β})\cdots (1 + r + r^{2} \cdots + r^{γ})
\tag{1}
\]
を展開したときの各項となる。
2. `N` の約数の個数(`1` と `N` を含める)
\[
(α + 1)(β + 1) ... (γ + 1)
\]
3. `N` のすべての約数の和
(1) に等しい。
以下とも等しい(等比数列の和)。
\[
\frac{p^{α+1}-1}{p-1} \cdot \frac{q^{β+1}-1}{q-1} \cdots \frac{r^{γ+1}-1}{r-1}
\]
4. `N` のすべての約数の積
\[
N^{約数の個数/2}
\]
- 約数が偶数の場合、約数が2つ一組で掛けたら`N`になるため。
- 約数が奇数の場合、約数を2つ一組にすると真ん中の約数が余るがこれは `\sqrt{N}` なので、結局偶数の場合と同じ式で表せる。
倍数判定法
`n` | `n` の倍数判定方法 |
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9で割った余りを簡単に算出する
- 各桁の数字を足す。
- 2桁以上になったら、再度1を行う。
- 最終的に1桁になった数字が、最初の数字を9で割った余りになっている。
検算にも使える。
ユークリッドの互除法
最大公約数(G.C.M.)を求める。
a, b は自然数で a ≠ 0 とする。 b を a で割った商を q、剰余を r とすると
\[
b = qa + r
\]
このとき、
( `b` と `a` の公約数全体の集合 ) = ( `a` と `r` の公約数全体の集合 )
となる。当然 G.C.M も同じ。
次は `a` を `r` で割ると、また同じことが言える。この操作を繰り返す。